設立趣旨書
エクセルシアは、「優雅な」「気品ある」「常に向上する」などの意味を持つ、ラテン語のExcelsiorに由来します。
2020年、世界は未曽有の疫禍を体験しています。中国の地方都市に端を発した新型コロナウィルスの流行は、瞬く間に世界中に拡散し、未だに収束を見ることができません。
コロナ禍によって、私達は、これまで気付かなかったことに気付かされ、これまで正しいと信じてきたことや誤りと思い込んでいたことを、改めて見直す機会を得ました。
この世界は、想像以上に狭く、密接に繋がり合っていること。自分の幸せも不幸せも、他者との関わりの中で成り立っていること。無知ゆえの狭小さや社会の脆弱性を見せつけられると同時に、危機の中で示される無名の人々の気高い振る舞いも目の当たりにしました。
この世に生まれてきた私達は、誰もが老い、病み、死にゆく運命を背負っており、その過程で、様々な苦しみや別離の哀しみに出遭います。人生の苦難の時にこそ、真摯に自己を見つめる謙虚さと弱者に寄り添う優しさ、廉潔に身を処してゆく強さが求められます。
Excelsiorには、もう一つ、「より高く!」という意味があります。アメリカの詩人 ロングフェローは、1841年に発表した短詩の中で、この言葉の書かれた旗を掲げ、一途に雪山の頂きを目指す若者の姿を謳っています。
昨日より今日の自分が僅かでも向上し、人間として成長することができたなら、明日は誰かを少しだけ幸せにすることができるかもしれません。寛容で成熟した世界は、ひとりひとりの高い志と利他の心によって創出されるものです。
多様な価値観が交錯し、めまぐるしく変化する時代だからこそ、視野を広げ、教養を磨き、自分を高めてゆくための学びの機会を提供することで、未来を担う青少年の健全な育成および生涯学習の推進を図り、全ての人が誇り高く生き、心豊かに老いることができる社会、自らの生命を愛おしみ、他者の人生を慈しむことのできる社会の実現を目指し、ここに「一般社団法人みのりエクセルシア」を設立いたします。
令和2年8月10日